【歌詞考察】ミスチル「innocent world」意味・解釈とは?【アクエリアスCMソング】

多くの人気曲を世に送り出し、ヒットチャートの常連でもあるMr.Children。
そんなミスチルの楽曲の中で、ライブの定番でもあり大ヒットした楽曲、「innocent world」(イノセントワールド)。

「innocent world」はミスチルの5thシングルで、1994年のオリコン年間シングルチャート1位やカラオケ年間チャート1位、そして第36回日本レコード大賞も受賞するなど大ヒットしました。

1990年代のJ-POPの楽曲の中でも知名度が高く、売上枚数193万枚を記録しています。
今回は発売から20年以上たった今でも名曲と呼ばれる、そんな「innocent world」の歌詞の意味と解釈を通して、楽曲の魅力を考察したいと思います。


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Mr.Children「innocent world」楽曲詳細

・リリース日:1994年6月1日
・リリース形態:シングル
・収録アルバム:Atomic Heart
・作詞作曲者:桜井和寿
・タイアップ:日本コカ・コーラ「アクエリアス ネオ・イオシス」CMソング:小林由美恵 出演
・売上枚数:193.6万枚

「innocent world」は、Mr.Childrenの5枚目のシングルです。

前作「CROSS ROAD」のロングヒットで知名度を上げ、この「innocent world」でその人気を爆発的なものにし、さらに次作の「Tommorow never knows」で200万枚の売上を記録するなど、誰が聞いても名曲と答えるであろう3曲で人気を確固たるものにしました。

中でも「innocent world」は、誰の耳にもフィットするキャッチーなメロディと軽快なサウンドが特徴で、今でもライブでは頻繁に演奏される大人気曲です。

しかし歌詞に関して、桜井和寿は相当頭を抱えたそうでプロデューサーの小林武史にも何度もダメ出しを食らっていたそうです。
「innocent world」が完成するまでどんな苦悩があったのでしょうか?

そんなエピソードも交えながら歌詞をご紹介したいと思います!

Mr.Children「innocent world」歌詞の意味・解釈とは?

さて、まずは「innocent world」の歌詞を引用しながら、私なりの解釈でお伝えしたいと思います。

「黄昏の街を背に 抱き合えたあの頃が胸をかすめる
軽はずみな言葉が 時に人を傷つけた そして君は居ないよ」

まずは冒頭のこちらの歌詞です。
ストレートでわかりやすい歌詞だと思いますが、主人公の男があの頃(過去)の恋愛を思い出している様子が伺えます。

抱き合えた思い出、そして軽はずみな言葉で他の誰かや君を傷つけてしまって、失ってしまったという事実が歌われています。

「窓に反射する(うつる) 哀れな自分(おとこ)が 愛しくもある この頃では」

次のこちらの歌詞は、「哀れな自分(おとこ)」という自己否定から、「愛しくもある」という自己肯定に繋がっています。
過去の恋愛で「君」を傷つけて、本当哀れな自分だけど、それでもこの頃はそういう自分も好きだ。
みたいな感じです笑

桜井和寿の歌詞の特徴の一つでもあると思うのですが、ネガティブの中に無謀なまでのポジティブが含まれていたり、否定の中に恥ずかしいほどの肯定が入っていたり、後悔の中に過去を美談とする言葉が入っていたり、とにかく最終的に過去を美しいものとして捉えている印象があります。

「Ah 僕は僕のままで ゆずれぬ夢を抱えてどこまでも歩き続けて行くよ いいだろう?mr.myself」

こちらの歌詞は、前の歌詞と続いており、自己肯定した自分をさらに前向きに鼓舞しているような印象があります。
先ほど、無謀なまでのポジティブと言いましたが、この歌詞もなかなかに楽観的です。笑

そしてここからサビの盛り上がりになるので、このぐらい駆けている感じがちょうどいいのかもしれません。

「陽のあたる坂道を昇る その前に また何処かで 会えるといいな イノセントワールド」

こちらはサビの歌詞になります。
「陽のあたる坂道を昇る」は、夢に向かっているイメージを景色で表現しています。
そして「また何処かで会えるといいな」なので、一度会ったことのある人にもう一度会いたいと思っているということです。
多分これは、夢に向かって走っていた過去の自分自身のことを表しているのだと思います。

「夢に辿り着いた今」の自分が、「夢に向かっていた過去」を思い出して、あの頃の気持ちを忘れずにいたいという思いの現れだと思います。
もしくは、夢に向かっていたあの頃の自分にまた会って、次の夢を示してほしいという気持ちかもしれません。

そして最後に「イノセントワールド」と歌っています。
この「イノセントワールド」については、後で詳しく解説していきたいと思います。

「近頃じゃ夕食の話題でさえ仕事によごされていて」

さて、こちらは2番のAメロの歌詞です。
1番のサビの歌詞で過去の夢に向かっていた頃の自分にまた会いたいと歌っていると言いましたが、こちらの歌詞は、近頃=今を表しています。

夢に辿り着いた「今」、仕事ばかりの毎日で夕食の話題でさえ仕事の話になるといっています。
そして、それを「よごされる」と表現しています。

1番のAメロでは自己肯定のことについて書きましたが、2番は逆に自己否定をしているように受け取れます。

「様々な角度から物事を見ていたら自分を見失っていた」

この歌詞もAメロ同様に、完全に「今」に対する否定の歌詞となっています。
様々角度から物事を見なきゃいけない、でもそこにこだわり続けることによって、大事なものを見失う。という葛藤を表現しています。

この歌詞は、私達の日常でもよくありますよね。
仕事に追われる毎日で、楽しむことを忘れてしまったり…。
忘れずにいたいものですね…。笑

「変わり続ける 街の片隅で夢の破片(かけら)が 生まれてくる」

2番のサビが終わった後、ブリッジの部分での歌詞です。
変わり続ける時代の流れの中で、街の片隅で夢を持った人たちが生まれてくる。
そんな意味合いだと思います。

多分その人たちは、あの頃の自分たちのような輝きを持って、夢に向かっていく人たちのことなのでしょう。
どちらかといと、その人たちのことを羨ましいと思っているニュアンスがあると思います。

「そして僕はこのままで微かな光を胸に 明日も進んで行くつもりだよいいだろう?」

ブリッジの後半、大サビ前の歌詞です。
おそらくここが、この曲で一番伝えたいことを歌っている部分になります。

あの頃の輝きを求めているし、他の夢を持った人たちのことを羨んだりもするけれども、それさえも「今」として受け止めて、「今」を引き連れて走っていくよ僕たちは。
そんなことを歌っているように思います。

結局、過去を求めても他人を羨んでも「今」は変わらないということに気づき、自分たちにしかない「微かな光」だけを胸に掲げて、胸を張って進んでいくよ。
という吹っ切れた感情のような印象を受けます。

誕生秘話の項目でも詳しく解説しますが、この曲の歌詞は桜井和寿の「今(当時)」がリアルに書かれており、まさに等身大の歌詞だと思います。

今のミスチルが歌うと、バンドが大きくなりすぎてどこか安定しきった感じがしますが、当時のミスチルは色んな悩みや葛藤があり、その度常に自分たちと向き合っていたのが感じられます。

すべての楽曲で言えることですが、その当時の時代背景やバンドの活動状況を考えて曲を聞くと、また違った感情が湧き上がりますね!

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タイトル「innocent world」の本当の意味とは?

さて、ここまで歌詞の一部を解説していきましたが、いかがでしたでしょうか?
「innocent world」というタイトルの意味を理解できましたでしょうか?
ここからは、私の解釈する「innocent world」というタイトルの本当の意味をご紹介したいと思います。

「innocent world」を直訳すると「無垢な世界」という意味だそうです。
無垢とは「心身が汚れていないこと。うぶで世間ずれしていないこと。」という意味です。
要するに、「純粋」そのものだと思います。

見出しで「本当の意味」と言いましたが、それは作者(当時の桜井和寿本人)にしか分かり得ないものだと思います。

ただ私が思うに、当時の桜井和寿はMr.Childrenがいずれ売れるだろうという確信を持っていたと思います。
そしてそれでも、音楽を始めた頃の純粋な気持ちや、下積み時代の「這い上がってやろう!」という躍起になっていた気持ちを常に持っていたいと願っていたのではないでしょうか。

そしてそういう意味で、「innocent world(=無垢な世界)」を求めて歌っているのだと思います。

「innocent world」の誕生秘話

数々の名曲を世に送り出し、中には「数分で完成した」という楽曲もたくさんあるMr.Childrenの楽曲ですが、この「innocent world」は例外です。

この曲は、メロディは早いうちにできたそうですが、作詞がなかなかうまくいかず、桜井和寿がアイディアを出しては小林武史がダメ出しをするという繰り返しだったそうです。

前作「CROSS ROAD」のヒットとCMソングのタイアップということもあり、当時の桜井和寿は少し身構えて作詞をしていたのかもしれません。

桜井和寿はCMである清涼飲料水のイメージや、絵コンテのイメージにこれでもかというくらいに合わせて書いていたそうですが、小林武史は「そういうものはもういい」と一刀両断。
そして、桜井和寿に「ボーカリストとして桜井和寿個人としての思いを詩にするべきなんじゃないか」と伝えたといいます。

そしてある日の帰宅中、車で早稲田通り付近を走っていた時に何かが降りてきたといいます。
その場で車を止め、ノートに思いを綴り始めます。

最初の言葉は、「少しだけ疲れたなあ」。
そしてそこから、一気に歌詞を書き上げたそうです。
「疲れた」という素直な気持ちをまず最初に書き出し、そこから心の扉が開いてバーっと書くことができたといいます。

その時にできた曲が仮タイトルである「innocent blue」で、その後詞が修正されて洗練されたものが「innocent world」になったといいます。

この詞には桜井和寿自身も自信があったそうで、今までは小林武史に「これはどうですか…?」といった感じだったそうですが、この歌詞ができたときは「これでいきたいんです!」と言ったそうです。

疲れるほどに悩みに悩み抜いて、そして完成した楽曲が20年以上経った今も人々に勇気を与えてくれていることが凄いですし、桜井和寿の人間らしさみたいなものをひしひしと感じさせてくれるエピソードですね!

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ライブの一体感がハンパない

「innocent world」を語る上で絶対に外せないのが、ライブでの盛り上がりです。
Mr.Childrenの楽曲の中でも特に頻繁にライブで演奏される曲なのですが、とにかく会場の一体感がすごいです!

楽曲のテーマや歌詞、そしてメロディとサウンドすべてがライブ会場の雰囲気とマッチしていて絶対に外しませんし、1番だけを会場のファンに歌わせることもあり、今ではこれぞミスチルのライブって感じです!

実際に私も会場でこの曲を聞いたことがあるのですが、会場にいる何万人の人々が同じ曲の同じ歌詞を歌っていることに鳥肌が立つほど感動します…!

Mr.Childrenの楽曲は、いい曲が沢山あってどれも大好きなのですが、「innocent world」のライブ映像を見るたびに、「なんだかんだでやっぱこの曲だな〜」となります!
ミスチルファンならわかるはずです!笑

是非ライブ映像たくさん見てみてください!(もちろん他の曲のライブ映像も感動モノです!)

まとめ

さて、ここまで「innocent world」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

私はこの曲、ミスチルを好きになる前から知っていました。
街中で耳にする機会もありましたし、テレビで耳にする機会もありました。
その時は、私が生まれる前の曲ということもあり「昔のいい曲」ってイメージでした。笑

ただ、私が成長するにつれてこの曲の印象は何度も変わり続けました。
中学生の頃は、恋愛ソングとしてこの曲を受け止めたり、高校生の頃は人生の選択をするタイミングにこの曲で感傷に浸ったり…笑
変幻自在に姿を変えて、いつも私の心に響かせてくれました。

今では私も大人になり、沢山の曲に影響を受けたり受けなかったりするようになりました。
それでも、多感で純粋な思春期にこの曲に出会えたことを大変うれしく思いますし、当時この曲を聞いて感じたことや考えたこと、影響を受けたことを大事にしたいと思っています。
それこそが私にとっての「innocent world」だなと思います。

今この楽曲を聞くと、またあの頃とは違った受け取り方ができます。
それも大事な感情なので大切にしたいですね!
ぜひみなさんも、「innocent world」聞いてみてください!

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