多くの人気曲を世に送り出し、ヒットチャートの常連でもあるMr.Children(ミスチル)。
そんなミスチルの楽曲の中で、最も売れた楽曲として今でも根強い人気がある「Tommorow never knows」。
「Tommorow never knows」はミスチルの代表曲としてだけでなく、1990年代のJ-POPを代表する楽曲として今もなお多くの人に聞かれています。
1994年ドラマ「若者のすべて」の主題歌として起用され、売上枚数は276万枚という驚異の売上を記録しています。
今回は発売から20年以上たった今でも色褪せることのない、そんな「Tommorow never knows」の歌詞の意味と解釈を通して、楽曲の魅力を考察したいと思います。
Mr.Children「Tommorow never knows」楽曲詳細
・リリース日:1994年11月10日
・リリース形態:シングル
・作詞作曲者:桜井和寿
・タイアップ:フジテレビ系ドラマ『若者のすべて』主題歌
・売上枚数:2,766,000枚
・PVロケ地(撮影場所):オーストラリア ビクトリア州 グレート・オーシャンロード
Mr.Children「Tommorow never knows」歌詞解釈・考察
さて、ここからは「Tommorow never knows」の歌詞を見ていきたいと思います。
まずはタイトルの「Tommorow never knows」ですが、直訳すると「明日のことはわからない」ということです。
作詞作曲の桜井和寿がこのタイトルに込めた意味はどういったものなのでしょうか?
解説していきたいと思います。
「とどまる事を知らない時間の中で いくつもの移りゆく街並みを眺めていた」
まずは冒頭のこちらの歌詞です。
この歌詞を聴いてみなさんはどういった想像をしますでしょうか?
私はこの歌詞を聞いた時、まずは時の流れを表していると思ったのですが、そのスピードに辟易してうんざりしている様が想像できました。
電車の車窓から眺める街並みのように、当たり前のように過ぎ去る毎日を想起し、「またこの風景か…」といった具合です。
「幼なすぎて消えた帰らぬ夢の面影を すれ違う少年に重ねたりして」
こちらの歌詞は、おそらく過去を思った歌詞だと思います。
過去を美しいものではなく、「現実」への一つの道として存在している、儚いものという捉え方をしている印象があります。
そして「すれ違う少年」は、冒頭の歌詞のように流れゆく時を表しており、過去の自分を少年に重ねているんだと思います。
「無邪気に人を裏切れる程 何もかもを欲しがっていた 分かり会えた友の愛した女(ひと)でさえも」
こちらの歌詞も過去の自分を想っています。
無邪気に人を裏切って何もかもを欲しがっていた過去の自分を悔やんでいる様が想像できます。
そして「無邪気に」という言葉ですが、前作「innocent world(無邪気な世界)」を連想させます。
前作「innocent world」では過去を明るいものとして捉えられていた印象ですが、「Tommorow never knows」では先程述べたとおり辟易していてうんざりしている様が捉えられます。
逆に、「現実」に対しての捉え方は、「innocent world」よりも冷静に捉えられており、大人になったミスチルといった感じの印象を抱きます。
「償うことさえできずに今日も傷みを抱き 夢中で駆け抜けるけれども まだ明日は見えず」
さて、こちらはサビの歌詞です。
ここにきて初めて「明日」という言葉が出てきます。
過去の行いを償うことさえできずに今日も傷みを抱いているけれども明日は見えない。
この歌詞を見て思ったのは、ミスチルの若さです。
1994年ということもあり、まだミスチルも若かった頃です。
過去の過ちは「償うことができる」と考えており、さらに「明日は見える」という希望を抱いている一人の若者の姿が見えます。
それ故に「明日は見えない」という現実に絶望しているのだと思います。
「まだ」という言葉にも「まだ希望がある」と信じたい気持ちに近い意味があると思います。
今現在のミスチルが歌うとまた違う歌詞になっているのは間違いありませんが、それも時の流れだと思い、時の流れの儚さと重さを考えさせられます。
「勝利も敗北もないまま孤独なレースは続いていく」
サビの最後の歌詞です。
勝利も敗北もないのですが、ただひたすらにレースが続いていくと歌っています。
それは、私は自分の過去とのレースだと捉えました。
「過去」という過ちと向き合い続ける「今」の自分がここにいるのだと思います。
タイトル「Tommorow never knows」の本当の意味とは?
さて、ここまで歌詞の一部を解説していきましたが、いかがでしたでしょうか?
ここで「Tommorow never knows」というタイトルの意味を改めて考えてみましょう。
みなさんはどう捉えますか?
私は、「明日は見えない」という意味に変わりはないのですが、それは後ろ向きなものではなく、若さゆえの希望にも聞こえてきます。
曲調はナイーブで繊細な印象ですが、恐らく「明日への期待」をしている少年を表現しているのではないのでしょうか?
当初、デモ段階でのタイトルは「明日への架け橋」だったといいます。
そこからも分かる通り、決してマイナスなイメージだけで作った楽曲ではないのだと思います!
本当の意味は、作者(当時の桜井和寿本人)にしか分かり得ないものだと思いますが、少し深く考えることで見えてくることがあり、今の私たちにしか捉えることができないものがあると思います。
エピソードがさすがミスチル
数々の名曲を世に送り出し、曲数分の天才的エピソードを持つミスチル。
Tommorow never knowsも例外ではなく、桜井和寿の音楽的才能がよくわかるエピソードがあります。
『30分ほどで曲の大部分を完成』
当時のミスチルのプロデューサーである小林武史が考えていたAメロのコード進行と桜井和寿が考えていたAメロのコード進行がたまたま合致し、その勢いで曲の大部分を完成させたというエピソードです。
小林武史の力なくして今のミスチルはないと思いますが、そんな小林武史の才能と桜井和寿の才能がマッチして、この曲は生まれるべくして生まれた。
そんなことを考えさせられるエピソードですね!
『ジョギング中に思いついた歌詞』
歌詞に関しては、メロディの翌月に思いついたそうで、その中でも「勝利も敗北もないまま孤独なレースは続いていく」という歌詞は、桜井和寿が石神井公園をジョギングしている時に思いついたそうです。
桜井和寿は、度々ジョギング中やサイクリング中に歌詞やメロディが思いつくということを語っておりますが、こんな重要な部分の歌詞がジョギング中に思いつくというのはやはり天才的ですね…!
やはり曲を作ろうと思って作っているのではなく、「歌詞が降りてくる」という感覚なのでしょうか…。
凡人にはわかりません…笑
『金のしゃちほこ』
当時この曲は、仮タイトルとして「金のしゃちほこ」というタイトルがつけられていました。
それは、作曲されたのがイベント先である名古屋であったことや、レコード会社の社長がこの曲は金の匂いがすると言ったことが理由だといわれています。
名古屋だからというのはわかるのですが、レコード会社の社長が金の匂いがすると言ったことが凄く時代を感じます。笑
もしくは、時代関係なく、本当にお金の匂いがするほど感銘を受けたのかもしれません!笑
収録アルバム『BOLERO』
Tommorow never knowsが収録されているアルバム『BOLERO』は、この曲以外にも多くのヒット曲が収録されています。
桜井和寿もこのアルバムについて「ファンへの感謝の気持ち」として大ヒットしたシングル曲を多く収録しており、もはやベスト盤的な要素もあります。
ミスチルの代表曲の一つでもある13thシングル「Everything(It’s you)」に始まり、ロックナンバー「タイムマシーンに乗って」、8thシングル「【es】~Theme of es~」、9thシングル「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」と続きます。
その後は、当時の桜井和寿の精神的感情を色濃く反映している「ALIVE」、7thシングル「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック- 」、そして最後を飾るのが「Tommorow never knows」です。
現代においてこれほどの名曲が詰め込められたアルバムが存在するでしょうか。笑
ミスチルの曲は他にも名曲が沢山あるのですが、このアルバムの曲だけでライブが行われたとしても私は大満足です!!笑
1990年代のミスチルらしいサウンドを是非聴いてみてください!!
まとめ
さて、ここまでMr.Childrenの「Tommorow never knows」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
私はこの曲を初めて聞いたとき、なんて美しいメロディと歌詞なんだととても感動したのを覚えています。
とても感傷的なメロディで繊細な曲だと思ってましたが、聞けば聞くほど違った視点を持って聞くことができ、どんどん曲の印象が変わっていきました。
時代によって売れる曲、売れない曲、ハマる曲、ハマらない曲があると思いますが、この曲はどの時代のどの人にとっても心に響く楽曲ではないでしょうか。
それは、ミスチルはどんな時代でも、どんな人にも変わらない気持ちで歌ってくれているからだと、今になって気付かされます。
人生には色んなことがあります。
それでも希望を持って生きていこうと思います!
「明日はまだ見えず」です!!
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