Mr.Children(ミスチル)の「Documentary film」は、アルバム『SOUDTRACKS』に収録されており、MVとともに話題になった楽曲です。
20thアルバム『SOUNDTRACKS』は、「新しい音楽の可能性と刺激」をテーマとして全編海外でレコーディングされたことでも大きな話題となりました。
バンドサウンドだけでなく、ストリングスが特徴的な楽曲が多く、ミスチルらしい壮大な世界観が描かれています。
さらに桜井和寿いわく「バンドサウンドのことよりも、もうちょっと、ソングライティングに重きを置いて作ったものが多い」とのことで、サウンドだけでなくメッセージを強く感じられる楽曲が多い気もします。
その中でも一際壮大な世界観を感じられる楽曲が「Documentary film」です。
アルバムの発売に先駆けて公開されたMVも大変話題になりました。
今回はミスチルの「Documentary film」の歌詞やMVの意味と解釈を通して、楽曲の世界観を考察していきます。
Mr.Children(ミスチル)「Documentary film」楽曲詳細
・リリース日:2020年12月2日
・リリース形態:アルバム
・作詞作曲者:桜井和寿
Mr.Children(ミスチル)「Documentary film」歌詞・タイトルの意味を考察
「Documentary film」というタイトルに込められた意味とは?
「今日は何も無かった 特別なことは何も」
まずは、冒頭のこちらの歌詞です。
この歌詞で楽曲の世界観がざっくりとわかる気がします。
主人公は、「喜び」ではなく「悲しみ」という感情が強く、おそらく日常に幸せを感じることができない人であることがわかります。
「君の笑顔にあと幾つ逢えるだろう」
次にこの歌詞です。
この歌詞を初めて聞いたとき、とても大事な歌詞だと思いました。
それは、50歳を越えた今の桜井さんだからこそ歌える歌詞だと思ったからです。
桜井さんはアルバム『SOUNDTRACKS』の発売インタビューで度々「老い」について語っています。
さらにここ最近のミスチルの楽曲は昔のようなガツガツ感はなく(もちろん曲によりますが。)、どちらかというと「哀愁」というものを強く感じられる楽曲が多い気がします。
この歌詞はそんな50歳になったMr.Childrenのリアルな感情と受け取ることができます。
「誰の目にも触れないドキュメンタリーフィルムを」
この歌詞は、この曲の中で一番重要な歌詞と言っても過言ではないと思います。
たくさんの意味を含んでいることを前提に私は、「自身の人生」という答えにたどり着きました(正解はわかりません笑)。
MVを見るとわかるのですが、記憶を失くす少年が毎日記しているメモ帳に「Documentaryfilm」と書かれています。
これは、記憶がない少年の唯一の記憶であり記録であり、まさにそれが「人生」なのです。
そしてMVでは少女も出てくるのですが、少女は少年と反対に悲しい感情や嬉しい感情、全ての記憶を忘れられずにいられるのです。
人はそれぞれが「生命」「人生」というドキュメンタリーフィルムを撮っていて、それは誰にも見ることができないのです。
「ある時は悲しみが多くのものを奪い去っても
次のシーンを笑って迎えるための演出だって思えばいい」
2番に出てくるこちらの歌詞は、いかにもミスチルらしい歌詞だと思います。
普通の歌詞だと、「止まない雨はない」的な言い回しになるのかと思いますが、
桜井さんは見事に「ドキュメンタリーフィルム」の世界観に重ねて「次のシーン」「演出」という言葉で表現しています。
楽曲の世界観を崩さずに伝えたいことを表現するというミスチルらしさ全開です。
「あらゆるものに「終わり」があることを リアルに切り取ってしまうけれど」
2番のサビからラストまでは、この楽曲で伝えたいことが詰まっています。
この楽曲で一番伝えたいこと、それは「命の終わり」です。
「命の終わり」を音楽で表現するミスチルらしさ
「命の終わり」という大きなテーマをこの曲では歌っていると思います。
どんな命にも終わりが必ずあり、だからこそ「今」の大切さや「命」の大切さを教えてくれます。
その命、一つ一つがドキュメンタリーフィルムだということです。
桜井さんもインタビューで、「終わり」ということについて度々語っており、「終わり」をリアルに感じるからこそ何でもない「今」を愛おしく思うという感じのことを言っていました。
まさに、この楽曲はミスチルが感じているリアルな感情が反映された楽曲だと思います。
Mr.Children(ミスチル)「Documentary film」MV解釈
ここから先は「Documentary film」のMVの解釈をお伝えしたいと思います。
まずは、MVについてですが、めちゃくちゃ感動します!
ミスチルらしさ全開で、冒頭の語りから最高にいい演出です!
それでは、MVの解釈をしていきたいと思います。
登場人物
登場人物は少年と少女の二人です。
・少年(演:南出 凌嘉) → 記憶が毎日リセットされてしまう。
・少女(演:南琴奈) → 嬉しい記憶も悲しい記憶も全てを覚えてしまう。
あらすじ
愛犬を亡くしたり、家族を亡くしたり悲しい出来ことが続いた彼女は、今日もずっと悲しみを抱えて生きています。
昔の思い出を忘れることができずにまた涙するそんな日々でした。
そこに、宇宙飛行士の被り物をした少年がやってきて、彼女を元気づけようとします。
少年は少女を自分だけの秘密基地に連れていき、多くの宝物や大事なものを見せます。
しかし少年は疲れて眠ってしまい、記憶をなくしてしまいます。
起き上がった少年は少女を見つめ、初めて見る人だと感じます。
慌てて自分のメモ帳を捲った少年は彼女の写真を見つけ、「彼女はボクの大切な友達」という言葉を見つけホッとした表情を見せます。
その後、少女にそのメモ帳についての話、記憶についての話をします。
そしてある言葉を少女は見つけます。
「悲しみに追われないのはラッキーなことかもしれないよ。」
この言葉は、少年が自分自身に対して勇気づけるように言っている言葉のように取れます。
少女のように「記憶があるゆえに悲しみに追われる」よりは、「悲しみに追われない、それもラッキーか。」と記憶がない少年が自分を納得させている言葉のように思えます。
そしてその言葉を見た少女の表情が切なくて、悲しくて、心を打たれます。
そして、今度は少女が少年の手を取りある場所に連れて行きます。
二人は、大きな木を探しに行く旅に出ます。
実はその木は少年にとって大事な木で、二人で手をつなぎ合ってその場所を目指します。
ついに二人はその木にたどり着きます。
少年は、被り物を外し少女に手渡し、メモ帳のための写真を取ります。
少年が被り物を外したシーンはとてもとても重要で、少年の心の中にあったガードみたいなものを、全て少女に託しました。
言い換えると少女に心を許した、信頼感を抱いたシーンだと思います。
曲もこのシーンで大サビの最後に差し掛かり最高の演出になっています。
そして最後は、少女の部屋に戻り二人で過ごすシーンになります。
最後の最後、少年のメモ帳を閉じ、そのメモ帳のタイトルは「Documentaryfilm」。
という内容でした。
<感想>少年の被り物の意味とは?
長くなりましたが、とにかくめちゃくちゃ感動します。
少女の心を癒した少年が、逆に少女に自身の心の枷を外してもらいます。
要約すると、お互いがお互いに救い合っていると解釈できます。
「誰の目にも触れないドキュメンタリーフィルム」を少年と少女どちらも持っていて、それをお互いが共有することができ、そこで二人だけの「ドキュメンタリーフィルム」ができたような感じがします。
少年の被り物がそれを強く物語っており、あれは少年の「心」を示しているものだと思いました!
本当に映像の完成度といい演出といい素晴らしいです!
まだまだ色んな解釈ができると思うので、これからも何回も見たいと思います!笑
まとめ
さて、今回はMr.Children「Documentary film」という楽曲を歌詞やMVの解釈を交えながら解説しましたがいかがでしたでしょうか。
ミスチルの楽曲は、違う角度から見ると全く違う情景が見えたり、全く違う捉え方ができたりする楽曲が多いので、私が記したことが全てではありません。
おそらく、全ての人やコミュニティーに「ドキュメンタリーフィルム」が存在し、それぞれ捉え方が違って当たり前なのだと思います。
そして「ドキュメンタリーフィルム」は誰の目にも触れません。
でも少し見方を変えるだけで、他人の「ドキュメンタリーフィルム」の一部に触れることができたりすることもあるのだと思います。
そういうことをこの曲から教えてもらいました!
そうやってまた新しい「ドキュメンタリーフィルム」が出来上がっていくことを願っています。
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