レゲエの神様と謳われたジャマイカのBob Marley(ボブ・マーリー)。
ボブ・マーリー生誕から70年以上が経ちましたが未だに支持され、聞き継がれる彼の音楽。
そんなボブ・マーリー人気のおすすめアルバムを厳選して、ランキング発表してみたいと思います。
ラスタの思想から生まれたレゲエという音楽
「ザイオン(アフリカ)回帰よりバビロン(ジャマイカ)の解放を!」
1966年、エチオピア皇帝 ハイレ・セラシエ1世(ラス・タファリ)がジャマイカに来訪した時に伝えられた言葉。
これによりラスタの思想やメッセージを伝えるレゲエ音楽が一気に拡大していきます。
長年のジャマイカにおける黒人奴隷制の苦難、その後の貧困、不透明さからの脱却を切望し、理想を歌った音楽。
それがレゲエの始まりです。
切実な闘争の音楽です。
そしてボブ・マーリー。
ラスタの伝道師はバビロンの解放を歌い続けました。
しかし、それはバビロンの解放だけの解釈ではなく、普遍的な意味合いを持つものへと広がっていきます。
4分の4拍子の2拍目と4拍目にリズムの基本を置くいわゆるオフビートと言われるレゲエ独特の音楽と、ボブ・マーリーのメッセージは世界に衝撃を与え、その後の音楽に多大な影響を残しました。
キング・オブ・レゲエと言われる所以です。
今では、「夏!野外だ!夏フェス、レゲエだ!」という感覚で、お祭りダンスミュージックになってしまった部分もありますね。
まあ、それはそれでいいんですけど。
ボブ・マーリーの世代のレゲエは、ルーツレゲエなどと言われてチョッと疎んじられている位になってしまいました。
これも時代の流れ?
マジメかよ。重てぇよ。ってそんな意見もありそうですが、こっちは大マジメなので無視します(笑)。
それでは、ボブ・マーリー人気のおすすめアルバムランキングをどうぞ!
ボブ・マーリーの人気おすすめアルバムランキング:第10位~第4位
第10位.「KAYA」
発売日:1978年3月23日
おすすめ曲:Kaya
【収録曲】 01.Easy Skanking 02.Kaya 03.Is This Love 04.Sun Is Shining 05.Satisfy My Soul 06.She’s Gone 07.Misty Morning 08.Crisis 09.Running Away 10.Time Will Tell 11.Smile Jamaica(ボーナス・トラック) |
1976年ボブ・マーリーは、当時の人民国家党(PNP)という政党を支持するライヴを行った事がきっかけで、暗殺を企てられ狙撃されます。
一命を取り留めはしたものの、身の危険からバハマに亡命しその後一旦、ロンドンに移住する事になります。
しかしその事件に憶することなく、政党を和平へ導く伝説的ライヴ、One Love Peace コンサートをジャマイカで行い、そのほぼ同時期にリリースされたのがこのアルバムです。
攻撃的な歌詞やメッセージは影を潜め、逆に調和、慈愛、平和についての内容が歌われています。
ボブ自身も「今これ以上過激な事を歌えば、次は本当に暗殺されるだろう。」と語っていました。
ボブ・マーリーのナイーヴな一面が垣間見える1枚です。
銃撃された後の心境を歌った「Misty Morning」や「Crisis」などが収録されていて、リアルなメッセージに惹きつけられますね。
第9位.「Confrontation」
発売日:1983年5月23日
おすすめ曲:Buffalo Soldier
【収録曲】 01.Chant Down Babylon 02.Buffalo Soldier 03.Jump Nyahbinghi 04.Mix Up, Mix Up 05.Give Thanks And Praise 06.Blackman Redemption 07.Trench Town 08.Stiff Necked Fools 09.I Know 10.Rastaman Live Up! 11.Buffalo Soldier (12″ Mix) |
ボブ・マーリーの死後2年後にリリースされた遺作となるアルバムです。
生前にリリースされたシングルや未発表曲を収録した構成になっています。
遺作とはいえ全英チャートでは「Buffalo Soldier」が最高4位を記録、アルバムも最高5位を記録しました。
プロデューサー、エンジニア共に生前からのスタッフが結集し、サウンド的には最高レベルと言って過言ではないでしょう。
かえってボブ・マーリーがどんな感じなのか、初めて聴く人には聴きやすいと思います。
裏ジャケットにはボブのこんな言葉が引用されています。
「俺の顔を見飽きたとしても、俺をレースから追い出す事は出来ない。」
皮肉にも、その言葉通りに死後もボブ・マーリーの音楽、メッセージは影響を与えている事を証明して見せたアルバムです。
残されたメッセージをぜひ聴いてみてください。
第8位.「Survival」
発売日:1979年10月2日
おすすめ曲:Zimbabwe
【収録曲】 01.So Much Trouble in the World 02.Zimbabwe 03.Top Rankin’ 04.Babylon System 05.Survival 06.Africa Unite 07.One Drop 08.Ride Natty Ride 09.Ambush in the Night 10.Wake Up and Live 11.RideNatty Ride (12″ mix) |
冒頭で触れたラスタ=ラスタファリズムという宗教的な思想活動は、黒人によるアフリカ回帰、そして統一を理想とするものでした。
ボブ・マーリーがその理想実現のためにエチオピアを訪問し、その後録音、制作されたアルバムです。
ジンバブエの独立運動にも参加し、独立祭典ではこの「Zimbabwe」という曲が歌われました。
ラスタファリズムに則った行動によるメッセージが、アルバム全編に詰め込まれています。
楽曲としては全体的にポップなアレンジで聴きやすく、ハイな感じに仕上がっています。
ラスタの代弁者として、高らかにそして且つ明確にその思想を歌い上げたアルバムです。
第7位.「Rastaman Vibration」
発売日:1976年4月30日
おすすめ曲:Roots, Rock, Reggae
【収録曲】 01.Positive Vibration 02.Roots, Rock, Reggae 03.Johnny Was 04.Cry to Me 05.Want More 06.Crazy Baldhead 07.Who the Cap Fit 08.Night Shift 09.War 10.Rat Race 11.Jar Live |
全英アルバムチャートでは15位、全米チャートでは8位にランクインし、アメリカではボブ・マーリーのアルバム中で最も高いランキングとなりました。
当時の音楽業界の現状や、ジャマイカのゲットーの悲劇、洗脳教育に対する批判、働きずくめの貧困層の人々の日々などのメッセージが歌われています。
理想やメッセージは、レゲエというよりはもうロックそのものだと思います。
ラスタファリズムが根底にあるにせよ、日常生活レベルだと何ら変わりない反骨精神が息づいています。安心しました。
しかし、このアルバムの発売同年に狙撃され負傷する事になります。
第6位.「Uprising」
発売日:1980年6月10日
おすすめ曲:Could You Be Loved
【収録曲】 01. Coming In From The Cold 02. Real Situation 03. Bad Card 04. We And Dem 05. Work 06. Zion Train 07. Pimper’s Paradise 08. Could You Be Loved 09. Forever Loving Jah 10. Redemption Song 11. Redemption Song (Band Version) 12. Could You Be Loved (12″ Mix) |
1980年ボブ・マーリーはアフリカで初のライヴを行いました。
その後、ジャマイカに戻ると憑りつかれた様に一気に20曲を録音、その内の10曲をこのアルバムで発表しました。
ジャケットでは昇る陽を背にして起き上がる姿が描かれています。
こうして、生き残り「Survival」、立ち上がり「Uprising」、対決する「Confrontation」と展開するアルバム3部作の2作目がリリースされたのです。
一気に書き上げた曲、伝えたい事が堰を切って溢れている感じがします。
かと言って急かされているような力みは感じられません。不思議なことに。
しかし、残念ながらボブ・マーリー自身が手掛けた最後のアルバムになってしまいました。
このアルバム発売3ヶ月後に、癌性の脳腫瘍と診断されてしまいます。
この時点で余命1ヶ月前後の宣告を受けます。
第5位.「Burnin’」
発売日:1973年10月19日
おすすめ曲:Get Up, Stand Up
【収録曲】 01.Get Up, Stand Up 02.Hallelujah Time 03.I Shot The Sheriff (Album Version) 04.Burnin’ And Lootin’ 05.Put It On 06.Small Axe 07.Pass It On 08.Duppy Conqueror 09.One Foundation 10.Rastaman Chant 11.Reincarnated Soul 12.No Sympathy (Remastered Version) 13.The Oppressed Song (Remastered Version) |
ボブ・マーリー、ピーター・トッシュ、バニー・ウェイラーの3人が在籍していたウェイラーズとしては最後のアルバムです。
「Get Up, Stand Up」「I Shot The Sheriff」などの有名な曲が収録されています。
ボブ・マーリーの書く曲は攻撃的な内容が多いのに対して、ピーター・トッシュとバニー・ウェイラーの書く曲は平和的な曲なのでその辺りの対比も聴き比べると面白いと思います。
ちなみにバニー・ウェイラーは本名ネヴィル・オライリー・リビングストン(Neville O’Reilly Livingston)、作詞作曲にネヴィル・リビングストンと表記される事が多いです。
第4位.「Exodus」
発売日:1977年6月3日
おすすめ曲:Exodus
【収録曲】 01.Natural Mystic 02.So Much Things to Say 03.Guiltiness 04.The Heathen 05.Exodus 06.Jammin’ 07.Waiting in Vain 08.Turn Your Lights Down Low 09.Three Little Birds 10.One Love/People Get Ready 11.Jammin’ (long version) 12.Punky Reggae Party (long version) |
ボブ・マーリー暗殺未遂事件の後、ロンドンで制作されたアルバムです。ゴールドディスク賞を受賞。
偶然にもボブ・マーリーのジャマイカ脱出、ロンドン移住と重なったのですが、アルバムタイトルの「Exodus」はアフリカ回帰の為の“脱出”という意味でつけられたそうです。
「Exodus」、「Jamming」、「Waiting in Vain」などの曲が収録されています。
命を取り留め、再び歌う為に起ちあがったボブ・マーリー。
その再出発となるこのアルバムは1999年、タイム誌によって「20世紀最高の音楽アルバム」に選出されました。
事実、勢いのある素晴らしい出来栄えだと思います。
さて、ボブ・マーリーのおすすめアルバムランキングはついにここからトップ3です!
どんなアルバムがランクインしているのでしょうか?
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