全国有線音楽放送協会(全音協)主催で、1968年に始まったTBSの日本有線大賞。
残念ながら、2017年で50年続いてきた放送に終止符がうたれます。
今回は、有線大賞の歴代司会者・大賞受賞・最優秀新人賞受賞を振りかえるとともに、放送終了の真相に迫ってみたいと思います。
歴代司会者
回 | 放送年月日 | 司会者 | |
第1回 | 1968年12月1日 | ||
第2回 | 1969年12月7日 | ||
第3回 | 1970年12月6日 | ||
第4回 | 1971年12月5日 | ||
第5回 | 1972年12月3日 | ||
第6回 | 1973年12月2日 | ||
第7回 | 1974年12月8日 | ||
第8回 | 1975年12月14日 | ||
第9回 | 1976年12月5日 | ||
第10回 | 1977年12月11日 | ||
第11回 | 1978年12月3日 | 鈴木治彦・小川哲哉・三雲孝江 | |
第12回 | 1979年12月2日 | ||
第13回 | 1980年12月7日 | ||
第14回 | 1981年12月6日 | 小川哲哉・宮崎美子 | |
第15回 | 1982年12月5日 | 小川哲哉・斉藤慶子・松宮一彦・生島ヒロシ | |
第16回 | 1983年12月2日 | 愛川欽也 | |
第17回 | 1984年12月7日 | 愛川欽也・紺野美沙子 | |
第18回 | 1985年12月6日 | 愛川欽也・紺野美沙子・松宮一彦 | |
第19回 | 1986年12月5日 | 愛川欽也・宮崎美子・松宮一彦 | |
第20回 | 1987年12月4日 | 愛川欽也・紺野美沙子・松宮一彦 | |
第21回 | 1988年12月2日 | 愛川欽也 | |
第22回 | 1989年12月1日 | 愛川欽也・紺野美沙子・松宮一彦 | |
第23回 | 1990年12月21日 | 愛川欽也 | |
第24回 | 1991年12月6日 | 渡辺徹 | |
第25回 | 1992年12月4日 | 渡辺徹 | |
第26回 | 1993年12月3日 | 渡辺徹 | |
第27回 | 1994年12月9日 | 渡渡辺徹・紺野美沙子・松宮一彦 | |
第28回 | 1995年12月1日 | 渡辺徹 | |
第29回 | 1996年12月6日 | 渡辺徹 | |
第30回 | 1997年12月5日 | 渡辺徹 | |
第31回 | 1998年12月4日 | 渡辺徹 | |
第32回 | 1999年12月3日 | 薬丸裕英・中井美穂 | |
第33回 | 2000年12月15日 | 薬丸裕英・木村郁美 | |
第34回 | 2001年12月14日 | 薬丸裕英・木村郁美 | |
第35回 | 2002年12月13日 | 薬丸裕英・久保田智子 | |
第36回 | 2003年12月20日 | 磯野貴理子・小倉弘子・有馬隼人 | |
第37回 | 2004年12月18日 | 峰竜太・ベッキー・小倉弘子 | |
第38回 | 2005年12月17日 | 陣内孝則・ベッキー・小倉弘子 | |
第39回 | 2006年12月16日 | 陣内孝則・ベッキー・小倉弘子 | |
第40回 | 2007年12月12日 | 草野仁・ベッキー・出水麻衣 | |
第41回 | 2008年12月17日 | 草野仁・ベッキー・加藤シルビア | |
第42回 | 2009年12月20日 | 草野仁・出水麻衣・田中みな実 | |
第43回 | 2010年11月18日 | 草野仁・久保田智子・小林悠 | |
第44回 | 2011年12月10日 | 草野仁・久保田智子・吉田明世 | |
第45回 | 2012年11月14日 | 沢村一樹・トリンドル玲奈・久保田智子 | |
第46回 | 2013年12月11日 | 沢村一樹・トリンドル玲奈・枡田絵理奈 | |
第47回 | 2014年12月20日 | 沢村一樹・トリンドル玲奈・枡田絵理奈 | |
第48回 | 2015年12月14日 | 吉田羊・山本匠晃・石井大裕 | |
第49回 | 2016年12月5日 | 高橋英樹・小島瑠璃子・江藤愛 | |
第50回 | 2017年12月4日 |
司会者というのは、その番組の顔ですが、おそらく長い間司会を務めた愛川欽也さんや、渡辺徹さんのイメージが強い人が多いのではないでしょうか。
ここ最近は、司会者も様々な方が努めており、有線大賞の司会者といってもピンと来ない人が多いかもしれませんね。
続いて、歴代大賞受賞者の一覧です。
歴代大賞受賞者
回 | 受賞者 | 受賞曲 | |
第1回(1968年) | 森進一 | 「盛り場ブルース」 | |
第2回(1969年) | 森進一 | 「港町ブルース」 | |
第3回(1970年) | 内山田洋とクール・ファイブ | 「噂の女」 | |
第4回(1971年) | 鶴田浩二 | 「傷だらけの人生」 | |
第5回(1972年) | 欧陽菲菲 | 「雨のエアポート」 | |
第6回(1973年) | 内山田洋とクール・ファイブ | 「そして、神戸」 | |
第7回(1974年) | 八代亜紀 | 「愛ひとすじ」 | |
第8回(1975年) | 野口五郎 | 「私鉄沿線」 | |
第9回(1976年) | 都はるみ | 「北の宿から」 | |
第10回(1977年) | 沢田研二 | 「勝手にしやがれ」 | |
第11回(1978年) | 沢田研二 | 「ダーリング」 | |
第12回(1979年) | 渥美二郎 | 「夢追い酒」 | |
第13回(1980年) | 小林幸子 | 「とまり木」 | |
第14回(1981年) | 竜鉄也 | 「奥飛騨慕情」 | |
第15回(1982年) | 細川たかし | 「北酒場」 | |
第16回(1983年) | 都はるみ・岡千秋 | 「浪花恋しぐれ」 | |
第17回(1984年) | テレサ・テン | 「つぐない」 | |
第18回(1985年) | テレサ・テン | 「愛人」 | |
第19回(1986年) | テレサ・テン | 「時の流れに身をまかせ」 | |
第20回(1987年) | 瀬川瑛子 | 「命くれない」 | |
第21回(1988年) | 桂銀淑 | 「夢おんな」 | |
第22回(1989年) | PRENCESS PRINCESS | 「Diamonds」 | |
第23回(1990年) | 堀内孝雄 | 「恋唄綴り」 | |
第24回(1991年) | 香西かおり | 「流恋草」 | |
第25回(1992年) | 藤あや子 | 「こころ酒」 | |
第26回(1993年) | 高山厳 | 「心凍らせて」 | |
第27回(1994年) | 藤あや子 | 「花のワルツ」 | |
第28回(1995年) | 長山洋子 | 「捨てられて」 | |
第29回(1996年) | シャ乱Q | 「涙の影」 | |
第30回(1997年) | GLAY | 「HOWEVER」 | |
第31回(1998年) | L’Arc〜en〜Ciel | 「HONEY」 | |
第32回(1999年) | GLAY | 「Winter,again」 | |
第33回(2000年) | 小柳ゆき | 「愛情」/「be alive」 | |
第34回(2001年) | 浜崎あゆみ | 「Dearest」 | |
第35回(2002年) | 浜崎あゆみ | 「Voyage」 | |
第36回(2003年) | 氷川きよし | 「白雲の城」 | |
第37回(2004年) | 氷川きよし | 「番場の忠太郎」 | |
第38回(2005年) | 氷川きよし | 「面影の都」 | |
第39回(2006年) | 倖田來未 | 「夢のうた」 | |
第40回(2007年) | 氷川きよし | 「きよしのソーラン節」 | |
第41回(2008年) | EXILE | 「Ti Amo」 | |
第42回(2009年) | 氷川きよし | 「ときめきのルンバ」 | |
第43回(2010年) | 氷川きよし | 「虹色のバイヨン」 | |
第44回(2011年) | ふくい舞 | 「いくたびの櫻」 | |
第45回(2012年) | 氷川きよし | 「櫻」 | |
第46回(2013年) | 氷川きよし | 「満天の瞳」 | |
第47回(2014年) | 水森かおり | 「島根恋旅」 | |
第48回(2015年) | 三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE | 「Summer Madness」 | |
第49回(2016年) | 西野カナ | 「Dear Bride」 | |
第50回(2017年) |
有線大賞の第1回目の大賞受賞者は森進一さんでした。
森進一さんは、世界的に人気のロックバンド「ONE OK ROCK」のボーカル・Takaの父親でもあります。
Takaは、演歌で成功を収めた父とはまた違う音楽性で、若者を中心に大きな支持を集めています。
受賞ジャンルに偏りがありますが、1996年~1999年は、シャ乱Q・GLAY・L’Arc~en~Cielといったバンドが、連続して大賞を受賞するなど変革のあった時期もありました。
ただ、見ての通り、ここ数年は氷川きよしが8回も受賞するなど、完全に独占状態にあったことがわかります。
続いて、歴代最優秀新人賞受賞者の一覧です。
歴代最優秀新人賞
回 | 受賞者 | 受賞曲 | |
第8回(1975年) | 細川たかし | 「心のこり」 | |
第9回(1976年) | 内藤やす子 | 「想い出ぼろぼろ」 | |
第10回(1977年) | 清水健太郎 | 「失恋レストラン」 | |
第11回(1978年) | さとう宗幸 | 「青葉城恋唄」 | |
第12回(1979年) | BORO | 「大阪で生まれた女」 | |
第13回(1980年) | 松村和子 | 「帰ってこいよ」 | |
第14回(1981年) | 近藤真彦 | 「ギンギラギンにさりげなく」 | |
第15回(1982年) | ヒロシ&キーボー | 「3年目の浮気」 | |
第16回(1983年) | 風見慎吾 | 「泣いちっちマイ・ハート」 | |
第17回(1984年) | 吉川晃司 | 「ラ・ヴィアンローズ」 | |
第18回(1985年) | とんねるず | 「雨の西麻布」 | |
第19回(1986年) | 石井明美 | 「CHA-CHA-CHA」 | |
第20回(1987年) | 坂本冬美 | 「あばれ太鼓」 | |
第21回(1988年) | 伍代夏子 | 「戻り川」 | |
第22回(1989年) | X | 「紅」 | |
第23回(1990年) | 晴山さおり | 「一円玉の旅がらす」 | |
第24回(1991年) | Mi-Ke | 「ブルーライト ヨコスカ」 | |
第25回(1992年) | 田川寿美 | 「女…ひとり旅」 | |
第26回(1993年) | 山根康広 | 「Get Along Together」 | |
第27回(1994年) | 藤谷美和子・大内義昭 | 「愛が生まれた日」 | |
第28回(1995年) | 華原朋美 | 「I BELIEVE」 | |
第29回(1996年) | PUFFY | 「アジアの純真」 | |
第30回(1997年) | SHAZNA | 「Melty Love」 | |
第31回(1998年) | Kiroro | 「未来へ」 | |
第32回(1999年) | 島谷ひとみ | 「大阪の女」 | |
第33回(2000年) | 氷川きよし | 「箱根八里の半次郎」 | |
第34回(2001年) | ZONE | 「secret base 〜君がくれたもの〜」 | |
第35回(2002年) | 中島美嘉 | 「WILL」 | |
第36回(2003年) | 一青窈 | 「もらい泣き」 | |
第37回(2004年) | 大塚愛 | 「さくらんぼ」 | |
第38回(2005年) | 伊藤由奈 | 「ENDLESS STORY」 | |
第39回(2006年) | 絢香 | 「三日月」 | |
第40回(2007年) | RSP | 「Lifetime Respect -女編-」 | |
第41回(2008年) | ジェロ | 「海雪」 | |
第42回(2009年) | BIGBANG | 「声をきかせて」 |
最優秀新人賞は2009年を最後に賞が無くなりました。
新人賞なので、同じ人が何回も受賞するようなことはなく、わりとその年に活躍した新人アーティストが受賞していたという印象です。
【真相は?】日本有線大賞が終了する理由
TBSは、2017年で日本有線大賞の放送を終了すると発表しました。
日本有線大賞自体は、全音協が引き続き継続していくとのことです。
番組プロデューサーは次のようなコメントをしています。
「50年の節目を迎え番組としては終了します」
50年の節目ということですが、終了する理由は視聴率の低下が原因と言われています。
ここで、日本有線大賞の過去の平均視聴率を振り返ってみます。
2010年:10.0%
2011年:10.2%
2012年:9.0%
2013年:10.2%
2014年:9.0%
2015年:9.1%
2016年:9.1%
※ビデオリサーチ調べ、関東地区
2016年は9.1%で、ここ3年間は連続で二桁を切っていることがわかります。
年末の大型音楽特番といえば紅白歌合戦をはじめどれも人気で、視聴率2桁を切るというのは異常事態といっても過言ではありません。
視聴率低下の原因は、大きく2つあると見ています。
一つは、上記で紹介してきた賞の受賞者を見ても分かる通り、レコード関係者の意向が視聴者に見えてしまうほどに露骨なところでしょう。
つまり、「いい曲を作れば賞が取れるわけではない」ので、賞と視聴者の間に温度差が生まれていたことは否めません。
もう一点、日本有線大賞は有線放送シェア第2位の「キャンシステム」に寄せられたリクエスト回数が基準となっています。
第1位は、最大手の「USEN」で、国内シェアは80%を占めています。
ということは、80%のシェアを占める「USEN」のデータが反映されていないということになるわけです。
このことも、賞の受賞結果と視聴者の間に温度差が生まれる結果になっていたと言えるでしょう。
視聴者との温度差は、同じくレコード大賞でも言えることですが、今回の有線大賞の終了が一つの契機になるかもしれません。
ただ、何かが終わるのは、何かが始まるタイミングでもあるので、これからの新しい何かに期待したいところです。
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