35年以上のキャリアになるU2ですが、オリジナルアルバムは13枚リリースとチョッと少なく感じるかもしれません。
しかし、一枚一枚が充実していてどれも外せないアルバム揃いです。
その中からこれはというU2のアルバム10枚をランキング形式で発表したいと思います。
U2とパンクムーヴメントの誕生
日本にもパンクムーヴメントが押し寄せた1980年前後、「PUNKS NOT DEAD」、「ANARCHY IN THE UK」といったロゴがプリントされたガーゼTシャツが流行りました。
その中で「REMEMBER ‘76」とプリントされたTシャツがあり、喉から手が出るほど欲しかった記憶があります。
結局在庫がなくて仕方なくスージー&ザ・バンシーズのTシャツにしたんですけど。
違う違う。そっちじゃなくて「REMEMBER ‘76」。
「REMEMBER ‘76」ってなに?ってことです。
1976年、アメリカニューヨークのバンド、ラモーンズのイギリス公演をきっかけに、イギリスでパンクムーヴメントが起こります。
セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムドなどといったパンクバンドが世に出ることになります。
当時不況で失業率も高かったイギリスでは、怒れる若者達の反乱とも取られました。
そして奇しくも同じ1976年に、ラモーンズのサウンドに触れ、隣国のブームに後押しされる形で、アイルランドで一つのバンドが結成されます。U2です。
初期のU2では、やはりパンクロックの影響が見られますが、その後U2としてのサウンドやメッセージは唯一無二の進化を遂げていきます。
その一方でロック界では暗黒期と言われた80年代、デジタル音楽導入の90年代と変遷していきます。
時代の移り変わりと共に、U2もまるで人格を持った一個人の様に成長していきます。
その誕生とも言える1976年。そして偶然の符号「REMEMBER ’76」。
それでは、U2の人気アルバムランキング第10位から行ってみましょう!
U2の人気おすすめアルバムランキング:第10位~第4位
第10位.「ZOOROPA」
発売日:1993年7月5日
おすすめ曲:Zooropa
【収録曲】 01.Zooropa 02.Babyface 03.Numb 04.Lemon 05.Stay (Faraway, So Close!) 06.Daddy’s Gonna Pay For Your Crashed Car 07.Some Days Are Better Than Others 08.The First Time (Album Version) 09.Dirty Day 10.The Wanderer [feat. Johnny Cash] |
U2のサウンドは、1990年代になるとデジタル路線に変っていきます。
その第2弾とも言えるアルバムが、この「ZOOROPA」ですね。
全体的にちょっとダークな感じがする作品になっています。
それまでのU2のイメージをガラリと変える印象を与えました。
とは言え、1994年のグラミー賞オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞を受賞しています。
ファンク色漂う楽曲があったりと、かなり実験的なアプローチがされていると思います。
う~ん。なんか知性を無理矢理抑えつけたような、制御された感じがして計算ずくかなと思ったりもしました。
既存の期待を裏切る意外性のあるアルバムだと思います。
割とそういうのは嫌いじゃないですけど(笑)。
第9位.「POP」
発売日:1997年3月3日
おすすめ曲:Discotheque
【収録曲】 01.Discotheque 02.Do You Feel Loved 03.Mofo 04.If God Will Send His Angels 05.Staring At The Sun 06.Last Night On Earth 07.Gone 08.Miami 09.The Playboy Mansion 10.If You Wear That Velvet Dress 11.Please 12.Wake Up Dead Man |
デジタル路線第3弾、そして1990年代最後のアルバムです。
セールス的には全英、全米共にチャート第1位を記録しました。
そういった経緯から、U2初心者におすすめのアルバムと位置付けられたりもしました。
実際、売れましたからね~。
逆に「もう昔のようなU2は戻ってこないのか?」とか「少し失望した。」などという意見もあり、賛否両論となったアルバムでもあります。
でもよくよく聴いて理解しようと試みるとやっぱりU2なんですよ。
これが。どういうこと?って感じもします。
ぜひ他のアルバムと聴き比べてみてください。 ・・・多分、悩みます。
第8位.「Boy」
発売日:1980年10月20日
おすすめ曲:Out of Control
【収録曲】 01. I Will Follow 02. Twilight 03. An Cat Dubh 04. Into The Heart 05. Out Of Control 06. Stories For Boys 07. The Ocean 08. A Day Without Me 09. Another Time, Another Place 10. The Electric Co. 11. Shadows And Tall Trees |
記念すべきU2デビューアルバムです。
1曲目の「I Will Follow」は、ボノが14歳の時に亡くした母へ捧げる曲として有名です。
今でもライヴで演奏されますね。
パンクロックに影響されバンドを結成したという、如何にも!といったサウンドが溢れていて嬉しくなりますね。
荒削りですが、既にエコーの効いたギターリフなど、他のバンドとは一線を画したところが垣間見えます。
80年代イギリスやその周辺の国々では、パンクロック終焉後のポストパンク・ニューウェーブの時期に突入し、バンド乱立と混迷を繰り返すことになります。
ブリティッシュ・ロックの暗黒期と言われる時代です。
遂にU2もその混迷期に参加する訳ですね。
外せない1枚です!
第7位.「Achtung Baby」
発売日:1991年11月18日
おすすめ曲:Ultra Violet
【収録曲】 01. Zoo Station 02. Even Better Than The Real Thing 03. One 04. Until The End Of The World 05. Who’s Gonna Ride Your Wild Horses 06. So Cruel 07. The Fly 08. Mysterious Ways 09. Tryin’ To Throw Your Arms Around The World 10. Ultra Violet (Light My Way) 11. Acrobat 12. Love Is Blindness |
1990年代デジタル路線の第一弾アルバムです。
それまでの硬派なロックからダンスビートを取り入れた、アンビエントなサウンドになりました。
当然、今までのファンは驚き、また新しいファンを獲得したのも事実です。
まあ強いて例えれば、老舗の中華そば屋が新しく豚骨ラーメンを出すみたいなもので、
「そりゃあ、ごちゃごちゃいう前に、とりあえずは食ってみなけりゃ分かんねぇや!?」
といった感じですかね?
チョッと無理があるって?失礼しました。
結果、豚骨ラーメンは好評だったみたいです。
なんせ1993年のグラミー賞最優秀ロック・グループを受賞しましたからね。
これまでのU2自体をも壊しかねないリスクを背負っても、新しくチャレンジする精神は称賛ものです。
第6位.「October」
発売日:1981年10月12日
おすすめ曲:Gloria
【収録曲】 01. Gloria 02. I Fall Down 03. I Threw A Brick Through A Window 04. Rejoice 05. Fire 06. Tomorrow 07. October 08. With A Shout 09. Stranger In A Strange Land 10. Scarlet 11. Is That All |
U2にとって2枚目のアルバムです。
アイルランド出身というルーツや宗教観が歌われており、内省的な感じの内容が多いアルバムになっています。
とは言え、サウンドはしっかりロックしてます。
これからイギリス、アメリカそして世界へと進出する前の、若いU2が感じられます。
当時のブリティッシュ・ロック臭がプンプンしてて、おすすめの1枚です。
この頃のイギリスでは、数多くのバンドが活動していました。
その中でもこのアルバムに関して言えば「エコー&ザ・バニーメン」というバンドにチョッと似ている気がします。
当時を彷彿とさせる同じ様な匂いがします。プンプンと。
ちなみに「エコー&ザ・バニーメン」、来日公演観に行きましたよ。
30年近く前に。ブリティッシュでした(笑)。
感涙ものの曲があります。
「キリング・ムーン」という曲です。
おヒマなら聴いてみてください。名曲です。
第5位.「Rattle and Hum (魂の叫び)」
発売日:1988年10月10日
おすすめ曲:All I Want Is You
【収録曲】 01.Helter Skelter (live at Denver, Colorado) 02.Van Diemen’s Land 03.Desire 04.Hawkmoon 269 05.All Along the Watchtower (live from “Save the Yuppie Free Concert”, San Francisco) 06.I Still Haven’t Found What I’m Looking For (live atMadison Square Garden, New York) 07.Freedom for My People 08.Silver and Gold (live from Denver, Colorado) 09.Pride (In the Name of Love) (live from Denver, Colorado) 10.Angel of Harlem 11.Love Rescue Me 12.When Love Comes to Town 13.Heartland 14.God Part II 15.The Star Spangled Banner (Live) 16.Bullet the Blue Sky (live at Sun Devil Stadium, Tempe, Arizona) 17.All I Want Is You |
アルバムと同時にドキュメンタリー映画も制作され、どちらかと言うとサウンドトラック的な1枚です。
ビートルズの「Helter Skelter」、ボブ・ディランの「All Along The Watchtower」のカヴァーが収録されています。
U2のルーツミュージックへの敬意を表したアルバムと言えるでしょう。
色々な楽曲が含まれていて、泥臭いロック感があり素晴らしい出来だと思うのですが、一部で「偉大なミュージシャンへの仲間入りのアプローチ」だと批判されました。
要らぬ世話じゃ。まったく。
これを受けてルーツミュージックをしなくなっちゃうんですよ。
かえって貴重なアルバムになってしまいました。
ぜひ御一聴を。
第4位.「War」
発売日:1983年2月28日
おすすめ曲:New Year’s Day
【収録曲】 01. Sunday Bloody Sunday 02. Seconds 03. New Year’s Day 04. Like A Song… 05. Drowning Man 06. The Refugee 07. Two Hearts Beat As One 08. Red Light 09. Surrender 10. 40 |
U2の代表曲「Sunday, Bloody, Sunday」や「New Year‘s day」が収録されているアルバムです。
全英チャート第1位を記録し、U2初のビッグヒットになりました。
それ以前のU2のアルバムは、イギリスでは評価の低いものでした。
ロックの目利きは、ン?耳利きかな?は、キビシイ国ですからね。
しかし、遂に評価されました。
日本でもこのアルバムを期にU2の名が知られていくことになります。
社会的メッセージが含まれて居るために、社会派バンドなどと紹介されたりもしました。
今ではそんな括りも超えてしまったU2ですけど。
まさに転機となった記念すべきアルバムです。
さて、U2のおすすめアルバムランキングはついにここからトップ3です!
どんなアルバムがランクインしているのでしょうか?
- 1
- 2