遂に登場した「Japanese Music Scene」の改革者
2017年に「King Gnu」として活動を開始。
すると僅か2年であっという間にヒットチャートを駆け上がり、2019年末の紅白歌合戦に出場。
その名を全国に知らしめました。
現在、多種多様な音楽が溢れ、ある意味では飽和状態にあるのではないかと思える日本の音楽シーン。
かつての80年代バンドブームのように混沌の中、終焉してしまうのかという危惧の中現れた次世代バンドの旗手と言っても過言ではないでしょう。
彼らの音楽はミクスチャー・ロックと呼ばれ、自らもそのサウンドを「TOKYO NEW MIXTURE STYLE」と称しています。
今回ご紹介する彼等の楽曲のMVも、彼等自身が立ち上げたクリエイティブチーム・PERIMETRONの手によるもので、音楽のみならず、アート、映像など様々なジャンルを飲み込んで影響を及ぼし始めました。
そんな今注目のKing Gnu。
人気のおすすめ曲を厳選して、ランキング発表してみたいと思います。
そして彼らがミクスチャー・バンドと言われるその所以を、少し紐解いてみたいと思います。
King Gnu ファンが選ぶおすすめ曲ランキングBest20選【投票結果】
20位「サマーレイン・ダイバー」
サマーレイン・ダイバー
King Gnu
オルタナティブ
¥255
provided courtesy of iTunes
発売日:2017年10月25日
収録アルバム: Tokyo Rendez-Vous
東京藝術大学出身の常田を中心に結成された音楽ユニット、Srv.Vinci(サーヴァ・ヴィンチ)から、現在のメンバーに安定し、「King Gnu」に改名。
その後、初めて自らのインディーズレーベル PERIMETRON からリリースされたアルバム「Tokyo Rendez-Vous」。
そのラストのナンバーです。
曲の中で顔を出すコーラスパート“Dance dance, anyways, it’ll work.”she says~が、ビートルズのようで「おっ?なるほど。」と感心してしまいました。
ゆったりとしたテンポですが、静かな高揚感のあるナンバーです。
19位「NIGHT POOL」
NIGHT POOL
King Gnu
オルタナティブ
¥255
provided courtesy of iTunes
発売日:2017年10月25日
収録アルバム: Tokyo Rendez-Vous
曲の導入部分からチルソングの影響が感じられるナンバーです。
イギリスのサウス・ロンドン出身で、注目を集めているジェイミー・アイザックやキング・クルールといったチルアウト系のミュージシャンを想起してしまいました。
本人達はチルソングをあまり称賛してはいないようでしたが、やはり欠かすことなく拾い上げてはいました。
若干、否定気味だったのに完璧に自分達のサウンドにしています。流石。
18位「破裂」
破裂
King Gnu
オルタナティブ
¥255
provided courtesy of iTunes
発売日:2017年10月25日
収録アルバム:Tokyo Rendez-Vous
否定も肯定も無い虚無の次元を感じる歌詞が、印象的です。
さらに、そのあやふやながらも、光を見いだそうとする心情を乗せる音がかつてのフォークロック調で、淡々としていながらも、染み入ってきます。
『はっぴいえんど』や『はちみつぱい』の感じが溢れていて懐かしくも切なくなりました。
「そこを突いてくる?」ってことで、またしてもノックアウトされました。
17位「Teenager Forever」
タイアップ:ソニー『完全ワイヤレス型ノイキャンイヤホン WF-1000XM3』
『ハイレゾウォークマン“NW-A100シリーズ』CMソング
収録アルバム:CEREMONY
タイトルを直訳すると「10代よ、永遠なれ」ですかね?
“10代”を置き去りにしてもう何十年も経ってしまいましたが、この曲を聴くと『生き返る』気がします。
80年代のビート・ロック全盛期にどっぷり頭まで浸かっていた者には懐かしく、
「よくぞやってくれた!」と賛辞を送りたい一曲です。
21世紀の新たな“ビート・ロック”です。現役10代の方、おススメです。それ以外の年代の方、必聴。
16位「あなたは蜃気楼」
あなたは蜃気楼
King Gnu
オルタナティブ
¥255
provided courtesy of iTunes
発売日:2017年10月25日
収録アルバム: Tokyo Rendez-Vous
軽快でシンプルなロック・ナンバーの曲です。しかし、どこかプンプン漂う昭和歌謡曲の香り。
井上陽水、オフコース、布施明なども耳にしていたと公言しているように、フツーに音楽も吸収してきた彼等らですが、一旦、“キングヌー”というフィルターを通せば、こんなに違う表情を見せるのかと実感させられる曲です。
彼等の手に負えないものはないのかも?
15位「Don’t Stop the Clocks」
Don’t Stop the Clocks
King Gnu
オルタナティブ
¥255
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発売日:2019年1月16日
収録アルバム:Sympa
2分16秒の本領発揮。こういう表現は彼らにとっては不本意かも?
シンプルで短い曲ですが、彼等の本質が垣間見える秀作だと思います。
東京藝術大学出身の常田と井口。ミュージシャンの両親を持ち、セッションドラマーだった勢喜。14歳からベースを始め、国立音楽大学出身の新井というこのメンバー。こういったクラシカルな楽曲はお手の物なのではないでしょうか。
井口の高音ヴォーカル素晴らしいです。おススメの一曲です。
14位「ロウラヴ」
ロウラヴ
King Gnu
オルタナティブ
¥255
provided courtesy of iTunes
発売日:2017年10月25日
収録アルバム:Tokyo Rendez-Vous
King Gnu(キングヌー)として活動する以前はSrv.Vinci(サーヴァ・ヴィンチ)という名でしたが、その時の最初の曲がこの「ロウラヴ」です。ってことはまさに原点。
当時は現代音楽寄りの前衛的な音楽性でした。その名残か、この曲もファンクナンバーではありますが、アフリカン的な音階で独特な世界を見せています。
ちなみにこのMVの舞台は常田の祖母の家で、近所の苦情を気にしながら撮影されたそうです。
ブレイクする前のチョット野暮ったい彼等もイイ雰囲気です。ん?ほっといてやれよって?
13位「Hitman」
Hitman
King Gnu
オルタナティブ
¥255
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発売日:2019年1月16日
タイアップ:ANA グローバルCMソング
収録アルバム:Sympa
2019年1月にメジャーデビューとなるアルバム「Sympa」をリリース。その中に収録されている曲です。
様々なジャンルの要素を含み、各々が個性のある楽曲が詰め込まれたこのアルバムの中では、シンプルでストレートに届いてくるナンバーだと思います。
違和感のないまま90年代のJ-POPや洋楽が見え隠れさせているのが玄人な証かも。
12位「Slumberland」
収録アルバム:Sympa
ブラックミュージックのカテゴリーの中でも、ヒップホップとのクロスオーバーを顕著に感じ取れる一曲です。
1993年にリリースされたグール―(Guru)のジャズマタズ(JAZZMATAZZ)を連想させ、その手のファンには感嘆モノのナンバーです。遂に日本にも、こういうバンドが現れたかと!
しかも、ジャジーなサウンドをベースとしながらも、現代的なリズム変換やストリングスのアレンジが更に新たな可能性を示していて、彼等のその一歩先を行くセンスに脱帽です。
11位「Tokyo Rendez-Vous」
Tokyo Rendez-Vous
King Gnu
オルタナティブ
¥255
provided courtesy of iTunes
発売日:2017年10月25日
収録アルバム:Tokyo Rendez-Vous
インディーズ時にリリースされたアルバムからの一曲です。
カオスの東京を縦横無尽に泳ぐかのようなRendez-Vous(ランデブー)を謳い文句としていますが、自らの音楽を“ミクスチャー”と明言する彼等のスタイル。
様々なジャンルの音楽と彼等のフィルターが融合する出会うことをRendez-Vous(ランデブー)と掛けていると勝手な解釈をしました。
常田のスピーカー・ヴォイスと井口のツインヴォーカルが冴える代表曲の一つです。
10位「McDonald Romance」
収録アルバム:Tokyo Rendez-Vous
初めてこの曲のイントロを耳にした時、まさか日本のミュージシャンによるものだとは思いませんでした。
N.Y.辺りの上質なアシッド・ジャズを聴いているようで、途中で「あれっ?日本語?」って感じでした。
ヴォーカルの質感もメロウな曲調を邪魔することなく計算されていて、違和感もなく完璧。
近年亡くなってしまいましたが、ロニー・ジョーダンのようなスタイリッシュなジャズをうかがわせ、日本にもついに現れたかという衝撃のナンバーです。
9位「傘」
タイアップ:ブルボン「アルフォート」CMソング
収録アルバム:CEREMONY
良くも悪くも、期待を裏切るメロディー展開に耳を奪われます。それぞれが異なるメロディーパートを流暢に紡いでいく手腕は感嘆モノです。
聴けば聴くほど、馴染んでくるのは、既にKing Gnuの術中にハマっている証拠かも?小刻みなギターリフも効果的です。
さらに、この曲のバックグラウンドに90年代J-POPの香りを感じるのは気のせいでしょうか?
どっかで聴いたようで、懐かしいようで、けど、斬新で。
8位「飛行艇」
タイアップ:ANA 国内版テレビCM『ひとには翼がある』篇CMソング
収録アルバム:CEREMONY
シンプルなビートに重ためのコードが覆いかぶさって来る、R&Bテイストの曲です。クイーンやグランド・ファンク・レイルロードに象徴されるような、70年代洋楽ロックを彷彿とさせる仕上がりです。
「もともと汚い(多分、泥臭いという意味)サウンドが好き」と公言している事から推測すると、バンド編成としてのルーツ的音楽へのアプローチを試みたようにも聴こえるこの曲。
意外と、“ミクスチャー”と呼ばれる彼らの原点かも知れません。
7位「Sorrows」
Sorrows
King Gnu
オルタナティブ
¥255
provided courtesy of iTunes
発売日:2019年1月16日
タイアップ:アサヒビール「ドライゼロ スパーク」CMソング
収録アルバム:Sympa
バウンド感のあるポップロックといった趣きで、ワカチコと唸る“ワウ”を効かせたギターリフが印象的です。
これだけのアップテンポなのに抑制のとれた井口のヴォーカルが美しく、素直に耳に入ってくるのは計算済み?
恐るべしセンス。
個人的には80年代のブリット・ポップや日本のバンド、フリッパーズ・ギターなどを思い出してしまいました。
6位「Flash!!!」
収録アルバム:Sympa
アップテンポなファンクナンバーでライヴではよく演奏される曲です。高音でクセのあるシンセの音が印象的です。
刹那的な歌詞に呼応するかのようなギターのカッティングがスピード感を演出しています。
ややもすれば一本調子で曲が終わってしまいがちですが、サビでの変調が新鮮で効果的。
疾走感溢れるナンバーです。
5位「The hole」
収録アルバム:Sympa
2ndアルバム『Sympa』収録曲で壮大なバラード曲です。
シンプルなピアノの音を基本に、やはり井口のヴォーカルが際立つ名曲だと思います。
美しいメロディーですが、どことなく不安定な感覚を与えるコード進行で、バラードではあるのですが、アンビエント・ミュージックの要素も感じ取れ、聴く側のシチュエーションで多様な表情を見せる興味深い曲だと思います。
4位「It’s a small world」
収録アルバム:Sympa
陰影のあるトーンで始まるこの曲。「It’s a small world」という曲名通りといった感じです。途中からの変調がやはり秀逸で、その落差がインパクトを強めています。
インパクトと言えばMVもアングラ小劇場のようで、クリエイティブチーム・PERIMETRONによる斬新な映像も効果的です。ちなみに白塗りメイクでステップを踏む怪人はVo.の井口クンだそうです。多才な方で。
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