どうも!
先日行われた巨人×阪神戦をきっかけにコリジョンルールの適用が物議を醸しているようです。
私もその時の試合を見ていましたが、あれがセーフになるんだなと驚きました。ネット上では、「盛り上がらない、野球がダメになる」といった否定的な意見が目立ちますね。
2016年シーズンから適用された新ルールなので、実は私もルールをよく知りませんでした。
というわけで野球におけるコリジョンルールとは何なのか、そして問題となっている巨人×阪神戦での原口捕手のブロックについてリポートしていきます。
コリジョンルールの意味とは?
まずは、コリジョンルールの意味について簡単に見ておきましょう。
2016年のプロ野球開幕から適用されたコリジョンルール。「コリジョン」とは日本語で「衝突」という意味を持ち、野球で言うと本塁で接触プレイを禁止するというものです。
つまり、走者がタイミング的にアウトなのに捕手にタックルしたり、逆に捕手が走者のスライディングをブロックするという行為が禁止されたわけです。
これは、本塁へのスライディングやブロックがきっかけで、怪我に繋がるリスクを無くすことに繋がるので、私的には大歓迎ではあります。
コリジョンルールについて、日本野球規則委員会の2016年度野球規則改正を熟読してみたところ、大きなポイントは以下です。
・本塁への走塁の際、走者は捕手または野手に故意に接触してはいけない。
・捕手がボールを持たずに得点しようとしている走者の走路をブロックすることはできない。
・捕手が送球を捕球しようとして走者の走路をふさぐ結果になった場合(たとえば、送球の方向、軌道、バウンドに反応して動いたような場合)には適用されない。
なるほど、5/11の阪神×巨人では、タイミング的に完全にアウトと一度は判定されたものの、捕手の原口捕手が走者をブロックしたと判定されセーフになったということになります。
しかし、3つ目のルールには例外があるようなことが書かれています。これを読むと本塁で捕球しようとしたキャッチャーが、結果的に走路を塞ぐようになってしまった場合はコリジョンルールは適用されないということのようです。
つまり、5/11の巨人×阪神戦では、最初から本塁と三塁上のラインに原口選手がいたわけではなく、ボールの返球に合わせて動いたからOKなのでは?というのが、一般的な見解なんですね。
コリジョンルール 5/11阪神×巨人での適用が物議を・・・
改めてコリジョンルールを勉強してから、問題となったシーンを見てみると、確かに阪神の原口選手がホームベースに被さり走者をブロックしている形に見えます。
しかし、最初からその場に立っていたのかが重要なので、返球のところから確認して見ると・・・
ホームベースの前に立っているので、これはOKだと思います。
これはブロックしに行ったのではなく、返球の軌道がこの位置だったの捕球するためには左にズレなければ行けませんでした。
その結果、捕球したタイミングと走者のスライディングが丁度重なった感じです。
これを見ても、前述したコリジョンルールの3つ目の例外項目、「送球を捕球しようとして走者の走路をふさぐ結果になった場合は適用されない」に該当するので、やはりアウトに見えます。
しかし、メジャーの場合はどうやら捕手はホームベースの前で返球を取り、走者に追いタッチしに行くのが基本らしいんですね。なので、この場合は左に送球がそれたら、後ろに下がるのではなく前に出て走者との接触を避ける必要があったことになります。
さらに、野球規則のコリジョンルールには続きがあり、「捕手は、滑り込んでくる走者に触球するときには不必要かつ激しい接触を避けるために最大限の努力をしなければならない。」とあります。おそらく原口選手のプレイは、接触を避けようとする気がなかったと審判には映ったのでしょう。
もともと選手が怪我しないように決まったルールですし、オープン戦の時から、全球団ともホームベースの前に立って、追いタッチの練習をしていたのも事実。
そう考えると、5/11の阪神×巨人はルール通りの判定だったと私は思います。
アメリカの後追いルールが不満とか、白けるなんて声もありますが、それはまだルール適用に慣れていないだけ。最近厳しくなったボークとかで点数が入るほうがよっぽど白けてしまいます。
結論としては、コリジョンルールに特に問題はなく、外野からの送球が反れないようにしっかり返球すること・そして捕手はホームベースの前で捕球し、追いタッチを徹底することがこれから求められるでしょう。
もちろん、判定もこれから修正されていくかもしれませんが、1年ぐらいはルール適用のテスト期間だと思って見守る必要があるのではないかと思います。