「日本語のロックって難しいわけじゃない?
ヨーロッパで育った音楽に日本語を乗っけるって、もちろん無理があって、メロディーと言葉が一体になっている清志郎の歌は、実は珍しいわけですよ。
彼は本能的に結び付ける才能を持っている人ですよね。
日本の音楽の中でこんな奴いるんだって、凄い才能だってびっくりしたんです。」
1982年に「い・け・な・いルージュマジック」で清志郎とユニットを組んだ坂本龍一氏のコメントです。
今や『世界のサカモト』となった偉大なミュージシャンに、ここまで絶賛されるミュージシャンというのも珍しいのではないでしょうか?
清志郎という人物を介すると、簡単でありふれた言葉が趣のある意味合いを持ち、いつまでも心に留まる事になるのです。
確かに不思議な才能だと思います。
実は、単純な文字の羅列や言葉の意味を最も理解していたのではないでしょうか?
そんなRCサクセションの心に響く歌詞を、ランキング発表してみたいと思います。
RCサクセションの心に響く歌詞ランキング:第10位~第4位
第10位.「甲州街道はもう秋なのさ」
甲州街道はもう秋なのさ
RCサクセション
ロック
¥250
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発売日:1976年4月21日
収録アルバム:シングル・マン
作詞:忌野清志郎
もうまっぴらだ これからは来ないでくれないか ぼくもうまっぴらだよ
うそばっかり うそばっかり
不遇の名盤「シングルマン」に収録されている曲です。
このアルバムは、不遇時代だった為に疑心暗鬼、人間不信といった趣がひしひしと感じられる歌詞が多くなっていますね。
上手く口車に乗せられて、騙されたって感じが分かりやすいくらいそのまんま歌われています。
これだけ直球勝負だとかえって気持ちいいですけどね。
しかし、秋の少し寂しい風を感じながら「うそばっかり!」ってのはかなり酷な情景ですよね。
それなのに、秋と言えばこの曲を思い出してしまいます。
それももうまっぴらだよって?イヤイヤ、そこは一つ心に納めておいて下さいよ。うそじゃないから。
第9位.「ドカドカうるさいR&Rバンド」
ドカドカうるさいR&Rバンド
忌野清志郎
ロック
¥250
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作詞:発売日:1983年7月5日
収録アルバム:OK
作詞:G2
子供だましのモンキービジネス よってたかって分け前をあさる
子供だましのモンキービジネス まともな奴はひとりもいねぇぜ Oh Yeah
10位の時とは打って変わって、RCサクセション絶好調の頃のアルバムに収録されている曲です。
今度はイイ曲を早くドンドン作れとせかされる状況ですね。
そう。売れだすと手の平を返した様な態度に、またしてもストレートに返す辺りRCサクセションらしいですね。
自分達は嘘が付けない、そこまで媚びて音楽やってる訳じゃない、そんな心境が表れていると思います。
イイ時も悪い時も知っているRCサクセションだからこそ、説得力のある歌詞だと思います。
けれど、この歌詞は後のインディーズ・ブームを予見していたんですかね?
第8位.「いい事ばかりはありゃしない」
いい事ばかりはありゃしない
RCサクセション
ロック
¥250
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発売日:1980年12月5日
収録アルバム:PLEASE
作詞:忌野清志郎
新宿駅のベンチでウトウト 吉祥寺あたりでゲロ吐いて すっかり 酔いも醒めちまった
涙ぐんでも はじまらねぇ 金が欲しくて働いて 眠るだけ
いい事ばかりはありゃしないって事なんですが、歌詞に「いい事」は一つも書かれてなくて、悪い事やツイてない事ばかりが綴られています。つらつらと。
現実ですよね「金が欲しくて働いて眠るだけ」そのまんま。
歌詞を読んで一緒になって溜息をつくか、よくあるあるって笑うかのどっちかですよね。
この曲は全然売れていない頃に書かれた曲だそうですが、メンバーのリンコさんが「歌詞が良くない。」といって、お蔵入りになっていたそうです。意外なエピソードですよね。
第7位.「ぼくの好きな先生」
ぼくの好きな先生
RCサクセション
ロック
¥250
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発売日:1972年2月5日
収録アルバム:初期のRCサクセション
作詞:忌野清志郎
たばこと絵の具のにおいの あの部屋にいつも一人 たばこを吸いながら キャンバスに向かってた ぼくの好きな先生 ぼくの好きなおじさん
RCサクセションの青春学園シリーズの1つです。
名曲ですね。
歌詞に出てくる「先生」は実在で、清志郎が高校3年の時の担任で、小林先生という美術の先生でした。
学校が嫌いな訳じゃないけど、起きるのが面倒でサボっていた清志郎。
かと言って不良でもなく、おとなしいタイプだったとも言われています。
う~ん。これって今に置き換えてみても、一番面倒くさい奴だったかも?
イヤイヤちゃんと頭の中にはR&Bが流れていたんですよ、きっと。
そんな清志郎が好きだったオジサン。
歌詞のイメージ通りなんでしょうかね?そんな魅力ある先生、今いるのかな?
第6位.「金もうけのために生れたんじゃないぜ」
金もうけのために生れたんじゃないぜ
RCサクセション
ロック
¥250
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発売日:1972年2月5日
収録アルバム:初期のRCサクセション
作詞:忌野清志郎
金もうけに疲れて死んで行くなんて 悲しい事さ 金なんか無くたって 幸せになれるさ
ファーストアルバム「初期のRCサクセション」に収録されている曲です。
このアルバムにはもう一曲「この世は金さ」という曲が収録されています。どっちやねん。
やはりどちらも正解かな?この相反する曲を同時に入れるあたり、センスの良さを感じますね。
この曲RCサクセションファンのコアな名曲なだけかと思っていましたが、実はゆずの二人がカヴァーをして注目を集めました。
金の事を歌詞にして歌うとなると下世話だとか、青臭いとか、敬遠されがちですが、清志郎は臆することなく色々な場面で歌っています。
イヤらしいと思われてもやはり現実、必要不可欠なモノですからねぇ。
けど、「金もうけのために生まれたんじゃないぜ」・・・そうでしょ?
第5位.「まぼろし」
まぼろし
RCサクセション
ポップ
¥250
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発売日:1981年11月21日
収録アルバム:BLUE
作詞:忌野清志郎
僕の理解者は行ってしまった もうずいぶん前の忘れそうな事さ 後は誰も分かってはくれない
ずいぶん ずいぶん ずいぶん長い間 一人にされています
まぼろしを追いかけて、自分の中にいる「神」に早く来てくれと訴えかけている内容です。
自殺した同級生の「まぼろし」です。切ない歌詞です。
個人的には「スローバラード」に次ぐ清志郎のソウル・バラードの名曲だと思います。
ここでも飾らないフツーの言葉を使うことで、悲しみがダイレクトに伝わってきて、哀愁を感じずには居られませんね。
・・・知らぬ内に心に沁みる「まぼろし」のような曲です。
4位.「シュー」
シュー
RCサクセション
ロック
¥250
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発売日:1972年2月5日
収録アルバム:初期のRCサクセション
作詞:忌野清志郎
烏合の衆 衆 衆・・・たまには一人で何かやってみろよ いつでもみんなと いっしょなんだね
一人じゃなんにも言えないけれど 今はみんなと いっしょだもんね
今でもイラッとすると、時々この曲を思い出します。烏合の衆。
みんなと一緒なら怖くない。団体行動。品行方正。右へ倣え。うぇ~!キモっ!
それでいて「個性は大事だ、自分達の意思を尊重した選択を。」なんてみんなと一緒になって個性、個性言ったところで、それじゃなんも変わらねぇ、それこそ烏合の衆じゃねぇかい!
何言ってやがんでぃ、べらぼうめってぼやき漫才じゃないんだから。
30年以上も前にもそんな事を思ってロックンロールにのめり込んだけど、30年以上経った今も、何も変わらず平穏無事な烏合の衆の世界。・・・ガックリ。
もしかしたらそっちの方が楽で幸せだった?
何言ってやがんでぃ!これからも抗うさ!怒れるオッサンで行こうぜ。
なぁ、おおいに結構でしょう? キヨシさん!
さて、RCサクセションの心に響く歌詞ランキングはついにここからトップ3です!
どんな歌詞がランクインしているのでしょうか?
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